ポータブル電源を自作する【リン酸鉄リチウム】

DIY

キャンプ場でソーラー発電

去年キャンプをした時、50Wのソーラーパネルで発電した電気をモバイルバッテリーに蓄電して電気を確保しました。晴れていれば1日使う程度の電気はチャージできたのですが天気が悪いと全然発電してくれず電気不足になってしまいました。

モバイルバッテリーだと蓄電量が少なすぎて悪天時の電気まで余分に充電できないので、もっと大容量のバッテリーが必要だと思いました。

リン酸鉄リチウムバッテリー

今年のキャンプはポータブル電源を持っていこうと考えているのですが、たくさん種類があって何を買えばいいのか迷ってしまいます。色々調べていくうちにリン酸鉄リチウムバッテリーというものが優れた特性を持っていることに気が付きました。

リチウムイオンバッテリーにもたくさん種類があって、その中でもリン酸鉄リチウムバッテリーは構造上発火しない上に他のリチウムバッテリーと比較して※充電サイクル回数が多いのが特徴です。

※三元系リチウムが1000回充電サイクルに対してリン酸鉄リチウムは2000回の充電サイクル。

DIYでポータブル電源を作る

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amazonで既製品のリン酸鉄リチウムのポータブル電源がそこそこ安い値段で売られていました。性能も良さそうだし最初はこれを買おうと思ったのですが、ネタとして面白くないので自作することにしました。

部品解説

自作ポータブル電源は5種類の部品を組み合わせて作ります。

ソーラーパネル GWSOLAR 100W

100Wのソーラーパネルで影に強いタイプを購入しました。こちらはamazonで購入しました。

チャージコントローラー Tracer2206AN

上記のソーラーパネルは約18Vの電気を作ります。バッテリーに充電する最適電圧は14.6Vです。18Vだと電圧が高すぎるのでチャージコントローラー通して14.6Vに降圧してあげてからバッテリーを充電します。

リン酸リチウムバッテリー 384WH 30Ah

乗用車のバッテリーは12V、トラックのバッテリーは24Vが使われています。それに合わせて12V、24Vで動作する機器が販売されているのでポータブル電源は12Vか24Vで自作するのが一般的です。リン酸鉄リチウムバッテリーは電圧が3.2Vしかないので4つのバッテリーを直列接続して12.8Vにして使用します。

BMS Jbdスマートbms 4s 12v 80A

バッテリーマネジメントシステムを略してBMSといいます。過充電、過放電、短絡など発生したら電気回路を遮断してくれます。また4つのバッテリーを監視してバランス良く充電、放電するように制御してくれます。Bluetoothを繋げればスマホでバッテリーの状態を確認できます。

負荷 埋込式

USBポートとシガーソケットを取り付けました。ここからスマホやPCを充電します。

完成品

アリエクに部品発注してから1ヶ月ほどですべての材料が届きました。それからなんだかんだ1ヶ月かけてなんとか完成させました。

30ahバッテリー×4 13198
BMS5574
BMSBluetooth881
USB シガーソケット端子2198
PD100Wカーチャージャー2086
MPPTチャージコントローラ7107
外箱598
スイッチ、配線関係1000
合計32642

今回自作したポータブル電源はあえてAC電源をつけませんでした。USB端子とシガーソケットのみで運用する予定です。考えてみたらAC電源の機器は全然使わない気が付きました。

スマホ、タブレット、USB式LEDライト、GoPro、モバイルルーターはUSBポートで充電できるし、ノートパソコンはUSB PD45W対応なのでシガーソケットにPD100Wのカーチャージャーをつければ充電できます。

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仮に今回AC電源をつけていればプラス1万円ほどかかったと思います。

既製品との比較

今回自作したポータブル電源は容量が384Whあります。同じ容量の既製品と比較してみてどう違うのか検証してみました。

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既製品 Beaudens自作
価格29880円32642円
容量384Wh384Wh
AC100V出力3口 正弦波 定格300W MAX600Wなし
DC出力10.8V-14.6V/10A MAX-120Wなし
USB 5V2.5A2口なし
USB QC3.0(18W)1口4口
USB PD60W×1口36W×2口 100W×1口
シガーソケット1口1口(PD100w)
充電(ソーラーMPPT)13V-22V/3A 66W?46V/20A 260w/12v 520w/24v
充電(AC100V)16V/3A ※ACアダプタ付きなし
充電(カーチャージャー)12V / 24V ※カーチャージャー付きなし
スマートBMSなしJBD 80A スマホ監視可
重量7.1kg4.8kg
寸法幅150×奥行300×高さ168mm幅200x奥行349x高さ181mm

この比較表を見る限り圧倒的に既製品のほうが優れています。値段も安いし充電方法はAC100V、カーチャージャー、ソーラーの3種類に対応しているし正弦波のAC100V出力までついています。

アリエクを使ってなんとか安く自作したつもりだったのですがにamazonで既製品を買ったほうが安くて高性能な製品が手に入りますね。

自作品が勝っている点

既製品にボロ負けした自作バッテリーですが、優れているところも何点かありました。

ソーラーパネルからの充電

既製品のスペック表にはソーラーパネルの充電は13V-22V/3Aと記載れています。おそらくこれは最大66Wまでしか充電できないということだと思います。例えばソーラーパネルで100Wの電気を発電してもポータブル電源が66Wまでしか充電できないので34Wの電気を捨てていることになります。

ちなみに僕が自作したポータブル電源は12V系統で240Wまで充電できます。

BMSが高性能

自作電源はスマートBMSという高性能なBMSを搭載しています。スマホで遠隔でバッテリーの状態を監視できたり充放電の電圧を任意で設定できます。

拡張性が高い

今回は384Whのバッテリーで自作ポータブル電源を作ったのですが、もっと大容量の電源も搭載することができます。

今回使用したバッテリーは384Whの容量で13198円でした。

もう少し大きい容量が欲しい場合はバッテリーを載せ替えればいいだけなので低予算ですみます。

ちなみに1280Whのバッテリーがアリエクで23318円で販売されているのでこいつを輸入して載せ替えれば大容量のポータブル電源を格安で作ることができます。amazonで1280Whクラスの電源を検索すると10万円を超える価格で販売されているので自作ポータブル電源は大容量になればなるほど真価を発揮してきますね。

自作における注意点

実はアリエクから届いたBMSが不良品で動作しなかったので新しいBMSをもう一個注文しました。

6000円で購入したBMSが不良品だったは参りましたが一番しんどかったのがセラーとのやり取りです。

返金要求をしたのですが全く聞き入れてもらえず、壊れているのはなにかの間違えだから一緒に原因を探しましょう的な事を言われたのですが、的はずれなアドバイスばかりしてきて時間を無駄に消費して発狂しそうになりました。

アリエクスプレスで不良品を掴まされた BMS JBD
アリエクスプレスで不良品を掴まされた続編 BMS JBD

アリエクスプレスはこういうトラブルもあるので皆さんも念頭に置いといてください。

コメント

  1.  小屋生活に憧れてはいても踏み出せない者です。動画やブログなど楽しく拝見しております。ポータブル電源の動画を見ていて、とても良くまとめられていて、職場で行っていた創意工夫のコンクールのプレゼンみたいだなあと思いました。私はガラ携帯のリチウムイオン電池を8個同時に充電する装置を作ったことがあります。携帯電話機本体が無くても、多数ある予備電池を充電できないか?という需要に応えて作成しました。一番の注意事項は発煙、発火などが起きないことです。ガラ携帯を分解したところ、とても小さい充電専用のICがあり、色々調べた結果、充電専用ICとしてリニアテクノロジーLTC4054(1個500円位)と制御用にPICマイコンを組み合わせて充電の進行に合わせて、ブザー・LED表示を行う装置を作りました。充電専用ICが豆粒のような大きさながら、充電にかかるマネージメントを全てきっちり行うので、リチウムイオン電池の”1C充電”を守り安全に充電できました。”1C”という言葉もこの時初めて知りました。今回、使われたリン酸鉄リチウム電池は3Cのようですから、かなり電流が流せるようです。電池も進歩していますね。中華製品は色々怪しいものがあるので、今回の動画のように測定器で検証しながら確認しておくと安心です。

  2. 初めまして!
    素敵な挑戦、勉強になります。
    私も電源と格闘中です(笑)
    コンセントからの充電器選びに苦戦しましたが、
    なんとか使えそうです。
    最近思うのですが、
    市販の品の多くは、
    容量が怪しいと思います。
    単純に重量と蓄電能力を比較してもアンバランスです。
    自作は、少なくとも容量は確実に満たしてると思いますので、
    利点の一つかと思います

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