井戸を掘ろうと思った経緯
僕の家には上水道管が来ておらず、井戸水を使って生活しています。去年までは業者に掘ってもらった7メートルの井戸を使っていたのですが、鉄分を含む水質でとても不便を感じていました。洗濯物は茶色くなるし、シャワーを浴びると肌がピリピリします。
今まで我慢して使ってきたのですが、太陽熱温水器を導入したことをきっかけに水質の良い井戸を掘ることを決意しました。鉄水を温水器に入れたくなかったからです。
井戸掘りの道具
井戸掘りで使った道具は3種類あります。
剣スコップ
根っこを断ち切りながら掘り進めるのにとても有効です。
スパイラルディガー
金象印のWらせん穴掘りSD-75を使用しました。VU75管にちょうど入るサイズなのでとても使い勝手が良かったです。柄が短かったのでハンドルを切断してvp25を刺して延長しました。固定はダブルナットでしっかりと固定しました。
吸子
塩ビ管で自作したものを使用しました。
井戸を掘る前にボーリングデータを確認する。
事前にボーリングデータを確認しておくといいです。僕の場合は九十九里町に住んでいるので「九十九里 ボーリングデータ」とグーグル検索したら地元のボーリングデータが出てきました。
水脈がある地層は砂または砂礫層と言われています。九十九里のボーリングデータを見る限り地表から細砂層がずーと続いているので少し掘ればすぐ水が出てくると思われます。
井戸の掘り方
①剣スコップで掘る
まず初めに剣スコップで掘れるところまで掘ります。地表は草の根が張っているので剣スコップで掘るのが効率がいいです。
②スパイラルディガー
剣スコップで掘れるところまで掘ったらスパイラルディガーに切り替えて更に掘り進めます。砂地なのでスパイラルディガーを引き上げるときはそ~っと引き上げないと砂がこぼれ落ちるので注意が必要です。2.5メートルくらい掘り進めると水が出てきました。予測した通りすぐ水脈に当たりましたね。
③井戸枠挿入
水が出てきたら穴が崩落して掘り進めなくなるので井戸枠を挿入して掘ります。井戸枠はVU75を使用しました。VU75の先端1メートルには2mmの穴を無数に開けています。
井戸枠は地表から1メートル以上出ていると作業性が悪くなります。なので2.5メートルの穴に3メートルのVU75を挿入しました。
④井戸枠内を掘削
井戸枠内をスパイラルディガーで掘りながら沈めていきます。このとき井戸枠に荷重をかけながら掘り進めるといいです。
スパイラルディガーで井戸枠を沈められなくなってきたら吸子を使って掘削していきます。
井戸枠が沈まない場合は当て木をして木槌などで叩き込んでやるといいです。このとき当て木は分厚いものを使ってください。薄いと割れて井戸の中に木っ端が入る危険があります。
井戸枠をすべて沈めたら次の井戸枠を継ぎ足します。地表から1メートル以上高くなると作業性が悪くなるので継ぎ足す井戸枠は1メートル以下にしてください。
こんな感じで6メートルまで井戸を掘り進めました。
水を汲み出す
VU75の井戸枠にポンプを接続して水を汲み出すのですが、そのまま給水管を入れると砂を吸い上げてポンプが故障してしまいます。
なのでVU50の先端に5ミリの無数の穴を開けてその上からポリエステルメッシュ(250メッシュを使用)を巻いてVU75に挿入しました。
あとはVU50から水を汲み出せば砂はほとんど上がってきません。
VU75内の砂を吸子で砂をさらって素早くVU50を入れてください。
砂を汲み上げてしまう問題
太陽熱温水器の中に砂が入ると後で掃除するのが厄介なのでなるべく砂を入れずに運用したいと思いました。
フィルターをすり抜ける
以前120メッシュの砂取器を井戸ポンプに取り付けたのですが、九十九里の砂はとても細かく120メッシュだとすり抜けてしまう問題がありました。色々検証した結果250メッシュ以上目の細かいフィルターじゃないと砂をカットできないことがわかりました。
そこで250メッシュのポリエステルメッシュを取水管に巻きつけて水を汲み上げてみました。理論上は砂をカットできるはずだったのですが砂を汲み上げてしまいました。
流量を落として問題を解決
蛇口を全開にすると砂混じりの水が出るのですが、半開きにして流量を落とすと砂が出てこないことに気が付きました。なので太陽熱温水器への送水管に流量調整バルブを取り付けることにして、砂問題は解決しました。(実際は電磁弁で流量が絞られていたので流量調整バルブは取り付けなかった)
流量調節の注意点
蛇口から砂が出てこなくても井戸ポンプのタンク内には砂が入っていると思われるので、定期的に蛇口全開にして砂を排出してやるといいと思います。我が家では洗濯をするときに蛇口全開にしています。
その他の解決方法
①井戸を太くする
井戸が細いと僅かな水流にも砂がついてきてしまうので井戸を太くすれ解決すると思われます。ただ掘削作業は大変になります。
②タンクに貯める
ポンプが2台必要になりますがタンクを使う方法があります。
※送水のポンプが圧力タンク式の場合、逆止弁に押しばねを入れる必要があるみたいです。
スピンフィルターなど
井戸ポンプの吸込口につけるタイプのフィルターは調べたところ120メッシュまでしかなくて、九十九里の砂は通過してしまいます。しかし吐出口につけるタイプのものは微粒子をも取り除くような高性能なフィルターがたくさん販売されています。
↑のスピンフィルターは40ミクロン(約320メッシュ)のフィルターが搭載されているそうでこれなら九十九里の砂も除去できそうな感じです。掃除も簡単で下部のコックをひねれば溜まった砂が自動で排出されます。
動画もぜひ御覧ください
今回井戸掘りの方法をブログにまとめてみましたが、はっきり言って動画で見たほうがイメージがつかみやすいと思います。道具制作から水を汲み出すまでの工程を詳しく解説しています。もしよければYou Tubeもチェックしてみてください。
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